1) 昔昔(むかしむかし)浦島は |
助けた亀(かめ)に連れられて |
龍宮城(りゅうぐうじょう)へ |
来て見れば |
絵にもかけない美しさ |
2) 乙姫様の 御馳走(ごちそう)に |
鯛(たい)や比目魚(ひらめ)の |
舞踊(まいおどり) |
ただ珍(めずら)しくおもしろく |
月日のたつのも夢の中(うち) |
3) 遊(あそび)にあきて気がついて |
お暇乞(いとまごい)もそこそこに |
帰る途中(とちゅう)の楽しみは |
土産(みやげ)に貰(もら)った |
玉手箱(たまてばこ) |
4) 帰って見れば |
こは如何(いか)に |
元(もと)居た家も 村も無く |
路(みち)に行きあう人々は |
顔も知らない者ばかり |
5) 心細(こころぼそ)さに |
蓋(ふた)とれば |
あけて悔(くや)しき玉手箱 |
中からぱっと白煙(しろけむり) |
たちまち太郎はお爺(じい)さん |